現在執筆中のAyuoの自伝的小説からの抜粋コーナー



 

「話す言葉のリズムがその人々のリズム感に影響を与えている」


1960年代にアメリカ人のジャズ・ドラマー、アート・ブレーキーがパン・アフロ・アメリカ・リズム・アンサンブルを作ろうとした。西アフリカから打楽器奏者を招き、西アフリカの人々の子孫であるブラック・アメリカンの音楽家たちと共演させた。だけど、彼らはお互いにリズムをうまく合わせることが出来なかったし、この試みは成功しなかった。どうも西アフリカのミュージシアンたちとアフリカ系アメリカ人たちとのリズム感が合わなかった。元もとは同じ人種だが、その話す言葉がその人のリズム感に与える影響力がどれだけ強いものかがそれまで気がついていなかった。ラップはそのことを分かった上で、流行ったアフリカ系アメリカ人独特のリズム感を生かした音楽だ。ジャズ、ソウル、ゴスペルもラップと同じようにアメリカの黒人の話し方に付けた音楽だ。

言葉や文化は、特定の社会に育ちながら、学んでいく。この2つは社会にあって他者と子ミューニケーションするための手段だけれど、遺伝的に伝わるものではない。言葉も文化も遺伝的に伝わるものだとナショナリストや人種差別者は、思いたいのだった。

1990年代にエドワード・T・ホールという文化人類学者が書いた『Dance of Life』と言う本を何度も読んだ。僕が文化とはなんなのかと感じていた事を彼が書いていたからだった。60年代のニューヨークで色々な民族が混ざった家庭で育った僕には当然日本の社会のコミューニケーションになじめなかった。もしもリズム感というものが時間の使い方や時間の分け方と解釈した場合に、日本の社会にいる人たちともヨーロッパ系やアフリカ系のアメリカ人とも僕のリズム感は違っていた。『Dance of Life』はアメリカのニュー・メキシコ州に住んでいるヒスパニック系、白人やネイティヴ・アメリカンのホッピー族など時間の使い方の違いを分析する事によって彼が気が付いた事を書いている。それは人には色々な時間の使い方や分け方があって、一つの国でも色々な使い方が共存している場合もある事を発見した。この時間の分け方を彼は人のリズム感として分析する。彼はニュー・メキシコにいる時に初めて、時間の感じ方が人によっていかに異なるかを実感した。そこに暮らすホッピー族の人々の言語には過去形や未来系を表わす言葉がなかった。そうすると過去や未来という時制を待ち合わせていない、現在があるだけだった。だから、彼らの文化での時間の構成の仕方が全く違っていた。

口に出さなくてもいい事があるのが文化の違いを作る。
表向きにあるエキゾチックものが文化の違いではない。本物の文化は亀の甲羅の中に隠され、守られている。

エドワード・T・ホールには『Hidden Differences – Doing Business With The Japanese』という本もある。この本は僕に取って、日本でどのようにして人と人が出会って、コミューニケーションを取っているかを理解するのにかなり役に立った。

ルネッサンス以前、神はサウンドであり、ヴァイヴレーションであると理解されていた。
世界のはじまりの時、人類は海に襲われて時を過ごしていた。川はそれぞれの場所で、時間の交差を変え、固有な時間の科学を生み出した。リズムは人類を一つに結び付けようとする力のなかでも、もっとも拘束力が強く、リズム・パターンは個人または別の個人と分ける重要な個人的特徴だ。人の使うリズムはどんなものでも、パターンを学習している時の環境にある、文化的機能なのだ。時間はその文化園の人たち全ての世界観の形成に関係がある。どんな文化であってもパターンが作られる時間のフレームは固有のものだ。だから言葉を学ぶのと同じように、時間の言語を学ぶ事も必要なのだ。

Dance of Life by Ayuo

It’s about how you feel time.
Synchronizing rhythms in the dance of life.

When we talk,
Our nerves mesh,
Like gears in transmission,
Tuning our waves in phase.
And locking us in feeling,
In the dance of life.

We sync and dance,
How our rhythms relate,
On earth’s energy fields.
Transcending space and time.
And locking us in feeling ,
In the dance of life.

Time plays a role in life.
Individuals tied together.
Invisible threads of rhythms.
Isolated by hidden walls.

It’s about how you feel time,
Synchronizing rhythms in the dance of life.

It’s about how you feel time,
Synchronizing rhythms in the dance of life.
Dance the dance of life.

生命の踊り

これは時間にたいする感じ方のこと
生命の踊りでリズムをシンクロナイズする

私達が話し合うとき
私たちの神経は結びつく
動いている歯車のように
私たちの波動を合わせていく
それを生命の踊りに合わせてはめ、感じる

私たちはシンクロナイズしながら踊る
私たちのリズムはどうやって関係をつくっていくのか
地球のエネルギー幕の中で
時と空間を越えて
それを生命の踊りに合わせてはめ、感じる

時間は人生で役割を果たす
個人個人が一つに結びついて
一人一人のリズムの見えない糸は
隠れた壁によって孤立している


Different Languages by AYUO

Sometimes when you are all alone,
You think back to that time you once knew,
When every thought,
Was in a different tongue,
A language, you could no longer speak.

And you’d realize as your mind goes back.
You’d felt things, you could no longer say,
When every color,
Was in a different shade,
A language, you could no longer speak.

It feels strange,
The world didn’t change,
But environments are a part of thoughts,
When every thought was in a different tongue,
In a language, you could no longer speak.

異なる言葉

ときどき、たった一人でいる時
昔の、あの頃の事を思い浮かべる
全ての考えが
違う言葉で表されていた頃
もうすでに、話さなくなった言葉で

そして記憶が戻って行くと
もうすでに表せないことを感じていたのに気がづく
全ての色が
違った陰影で見えていた、あの頃
もうすでに、話さなくなった言葉

不思議に感じるのは
世界が変わったからではない
でも環境は考えの一つ
そしてすべての考えが違った音楽で表されていた頃
もうすでに、話さなくなった言葉